米ミシガン州デトロイトの労働組合に加入する自動車労働者は、ストライキで要求している賃上げの実施前でも、医療費などの諸手当を含めれば、恐らく世界最高水準の給与をもらっている。雇用主は今のところ支払う余裕がある。だがさらに人件費が上昇すれば、戦略面で追い詰められる。全米自動車労働組合(UAW)との交渉結果がどうあれ、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード、クライスラーを傘下に持つステランティスの自動車大手3社は、工場従業員の賃金を大幅に引き上げざるを得ない。GMは9日、4年間で20%の賃上げを含む最新の提案の要点を公表した。これが実現すれば、同社のUAW組合員ほぼ全員の年収(フルタイムの場合)が約8万2000ドル(約1200万円)となる。また雇用主の年金拠出金引き上げや臨時雇用の条件改善も盛り込まれた。
米UAW組合員の高賃金、経営の柔軟性を奪いかねず
人件費が高いためGMやフォードは大型車頼みになっている
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