インドでは高速通信規格「5G」のネットワークが拡大し始める中でも、人口14億人の約半分はインターネットに接続できない状態だ。富豪ムケシュ・アンバニ氏は、ネットに対応した12ドル(約1800円)ほどの新しい携帯電話がこの状況を変え、自身が保有する業界首位の携帯電話サービス会社の契約者数がさらに伸びると踏んでいる。リライアンス・ジオ・インフォコムが7月に発売したこの端末は、何十年も前のシンプルで丈夫なノキアの携帯電話に似ている。従来型の物理キーボードと小さな画面、カメラを備え、カラー展開は青、黒、グレー、赤とベーシックだ。この端末は5G非対応だが、高速の4Gには対応しており、プリインストールされたアプリからリライアンス・ジオのサービスを使ってボリウッド映画やクリケットの試合、ポップミュージックなどの音楽・動画コンテンツをストリーミングすることができる。近年インドで急速に普及しているデジタル決済にも利用できる。