バイデン米政権の不幸な現実は、アフガニスタンからの米軍撤退を巡る混乱以降、抑止の失敗が続いていることだ。ホワイトハウスの警告は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にウクライナ侵攻を思いとどまらせることができなかったほか、イランの代理勢力による米軍や米軍施設への83回に上る攻撃も阻止できなかった。今度は、イランがレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラやその他の代理勢力を使ってイスラエルに対する第2、第3の戦線を開くのを、米国の警告によって抑止できるかどうかが分かるだろう。ジェイク・サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は15日のCBSの番組「フェイス・ザ・ネーション」で、米国が非公式のルートを使い、ガザでの戦争をエスカレートさせないようイランに警告したことを明らかにした。ガザでの戦争はイランの代理勢力であるイスラム組織ハマスがイスラエルに侵攻したことで始まった。米国は東地中海に空母打撃群、ペルシャ湾に航空機を派遣することで、こうした警告を補強している。国防総省は別の空母打撃群も同地に向かっていると述べている。
【社説】バイデン政権と抑止力とイラン
イラン指導者に対イスラエル戦激化のリスクを理解させよ
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