米経済はソフトランディング(軟着陸)に向かっているようだ。だが、それ以外の国々は着陸時に激しい揺れが生じる可能性がある。世界の金融当局によると、多くの国が新型コロナウイルス禍の後遺症に苦しむ一方、力強く成長している国もあるなど、一段とばらつきが見られる経済の見通しに各当局は苦慮している。米経済の予想外の好調ぶりは他の国々への脅威となっている。米国で金利上昇が長期化したりドルが上昇したりすれば他国の経済成長の足かせとなる。夏以降の原油価格の高騰も、世界の中央銀行の多くが政策引き締めサイクルを終えたと判断したまさにその時にインフレを再燃させる恐れがある。国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエワ専務理事は、モロッコのマラケシュで開催されたIMF・世界銀行の年次総会で、「経済見通しの格差が深刻化している」と警鐘を鳴らした。
米経済、軟着陸なら他国は大揺れか
中東紛争や世界的な金利上昇、原油高がぜい弱な景気回復を脅かしている
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