秋篠宮邸の大改修が「ムダ遣い」って本当?“天皇退位”時の無計画さも影響かPhoto:Ian MacNicol/gettyimages

旧東宮御所に
入るはずだった秋篠宮家

 秋篠宮邸の改修工事や、完成後に佳子内親王が仮御所にとどまられることについて、無駄遣いだと一部から批判されている。

 だが、秋篠宮皇嗣殿下は、皇嗣と称号が違うだけで、皇太子とまったく同格で立皇嗣礼もしているし、公務と職員も同じ規模になったのだから、従来の東宮御所と質量ともに同レベルの施設が必要であるし、節約が過ぎたら皇室外交にも悪影響が出る。

 ところが、ご一家に悪意を持った人たちが、「皇太子が空位(皇嗣が天皇の子でないので皇太子という称号を使わないだけ。現在の状態を空位と呼ぶのは『エリザベス女王の在位中は国王は空位だった』というようなもので間違い)」、「皇嗣は皇太子より格下」というデマを流して、新施設は必要ないとか、佳子さまの別居で無駄な支出とか言いたい放題である。

 もちろん、各皇室メンバーに一長一短があり、秋篠宮皇嗣家にも欠点はある。だが、質素で節約に努められてきたとか、公務に熱心でノブレス・オブリージュについての高い意識をお持ちである点は、格別に優れているのに奇妙なことだ。

 今回は、建設費についての細かい話でなく、明治以来の皇室の方々のお住まいを振り返り、秋篠宮邸改修の工事も佳子さまの別居も批判すべきものでないことを説明する。