最も勘違いが多いのは、
「借入金」

 ではここから、詳細をお話ししていきます。

(1)借入金の返済
 最もよく聞かれるのがこれです。「借入金を一括して返済すれば節税になる」と思われがちですが、決してそうではありません。借入金を返すというのは、あくまでB/S上の話です。「借りたものを返す」だけであり経費ではありません。もし経費になるなら、借入をしたときに収入になっているはずです。なお、利息は経費になります。

(2)源泉所得税の支払い
 毎月10日(一定の場合には年2回)に支払っている源泉所得税や住民税も一見経費に見えますが、そうではありません。これらの税金は給料を支払ったときに預かっているだけです。その預かったお金を税務署や役所に支払っています。借入金の返済と同じくB/Sだけの話なのです。

(3)保証金
 オフィスを借りるときや、新規に業務契約するときに保証金を支払うことがあります。この保証金は解約時に戻ってくるものがあります。その戻ってくる部分は経費にはできません。ずっとB/Sの資産に計上されたままです。ただし、契約時に「解約時に保証金の30%を償却します」とある場合は、その部分を経費にすることができます。