「意識が高いだけで全然伸びない若手には特徴がある」
そう語るのは、これまで3500社以上の導入実績がある組織コンサルタントである株式会社識学の代表取締役社長・安藤広大氏だ。「会社員人生が変わった」「誰も言ってくれないことが書いてある」と話題の著書『とにかく仕組み化』では、メンバーの模範として働きつつ、部下の育成や業務管理などで悩むリーダーたちに、仕組み化のメリットを説いた。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「できる上司」のマネジメント方法を解説する。(構成/種岡 健)
「負けても納得する人」はやがて成長する
明確な評価制度の中で、「給料が下がる」というマイナス評価を受けた社員は、どうなるでしょうか。
会社を恨んだり、上司に反抗的になると思いますか。
むしろ逆です。
明文化されたルールの中で評価を下されているわけですから、納得して受け入れるしか選択肢がありません。
そのための「権限」は与えられているはずです。
しかし、意識が高いだけの若手は、
「条件が悪かったからできなかった」
「社会状況がよくないからダメだった」
などと、他人や環境のせいにします。
そうではなく、マイナス評価を受けた人て、その後、必死で頑張るような人は成長し続けます。
中には去っていく人もいますが、試行錯誤する道を選ぶ人は、必ず結果が出始めます。
2~3年が経ったときに、別人のように急成長しはじめるのです。
これが、必要な恐怖と向き合って得られる結果です。
マイナス評価が与えられると、そのときは一瞬、冷たいように思われるかもしれませんが、長期的に見ると、働く人たちにとって大きなプラスに転じるのです。
逆に、マイナス評価を与えずに、
「仕方ないから、とりあえず、そのまま頑張ろうよ」
という曖昧な評価をすることで、その人が成長しないことのほうが、はるかに残酷なはずです。
「仕事そのもので悩むこと」は幸せなこと
仕事の悩みは、「競争がつらい」から起こるのではありません。
「人間関係の悩み」が原因です。
「好き嫌いで物事が決まっている」
「社内に見えない派閥がある」
など、属人化した問題によって、人は去ります。
しかし、競争によって悩むのは、当然の話です。
たとえば、独立して自分の店を持ったとしましょう。
すると、ライバル店とのお客さんの争奪戦がはじまるだけです。
どこに行っても、競争はつきまとう。
なぜなら、「人は比べて生き続ける」からです。
そう考えると、人間関係の悩みがなく、ただ「仕事に集中できる」という環境は、すごく幸せなことなのです。
「どうすればもっと売れるだろう?」
「どうすれば成約数が増えるだろう?」
と、仕事そのものの悩みを持つことは、一生つきまといます。
だったら、早く負けを認めて、「成長する機会を得られた」と考えたほうが遥かにいいのです。
(本稿は、『とにかく仕組み化』より一部を抜粋・編集したものです)