▼セルフケアの必要性を感じられない
 毒家族のいる家庭において、「ケアする」や「気にかける」といった概念は一方通行です。繊細で弱い人が、「毒になる人」をもてなすのです。

 このように誰かに世話を強制する仕組みの中では、全員の望みがきちんと満たされるわけではありません。あなたは、自分自身のケアをする価値などないと思い込まされてきました。そして家族の精神的奴隷、もしくは使用人としてしか価値を見出してもらえませんでした。

 セルフケアについて考えてみましょう。自分を気にかけることをあなた自身に許してあげていますか?

▼人生は贈り物だとは思えない
 あなたにとって、人生は贈り物どころか、苦しく、恐ろしく、厄介で、捻じ曲がっていて、予測不可能なものです。

 毒家族の目的は、あなたを自分たちの支配下から逃さないように、あなたを抑えつけ、自信をつけさせないことです。あなたが自分自身の人生の主導権を握れない限り、人生を贈り物と捉えるのは不可能です。

 人生について考えてみましょう。あなたは人生を贈り物だと思えますか?

少しずつでいいから自分に正直になろう

 あなた自身や他の人、また人生というものについて、否定的な思い込みを捨てようとするのは苦しいこともあるでしょう。なぜなら否定的な思い込みに対抗するには、まずその思い込みとしっかりと向き合わなければならないからです。

 毎日少しずつ、自分に正直になっていきましょう。そうすればいつの日か、あなたがその試練をどう乗り越えたか、人に話せるようになります。

 そして、その話がまた別の誰かを導くのです。

シェリー・キャンベル(Sherrie Campbell, PhD)
毒家族に苦しむ人々を救う心理学者であり、家族との絶縁を手伝う専門家として全米で知られている。かつてBBM Global NetworkとTuneIn Radioで自身のラジオ番組「Dr. Sherrie Show」を主宰していた。講演者、SNSのインフルエンサーとしても知られ、メディアにも頻繁に取り上げられている。著書に『幸せになるには親を捨てるしかなかった』(ダイヤモンド社)などがある。

※本稿は、シェリー・キャンベル著 髙瀨みどり訳『幸せになるには親を捨てるしかなかった』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。