▼自分を大切にすることができない
 慈(いつく)しみに欠けた環境で育ったあなたは、そもそも自分が慈しまれるべき存在だという意識がありません。自分への慈しみーーセルフ・コンパッションの欠如は、大人になってから間違った人とつき合ってしまう原因になります。

 他の誰でもなくあなた自身の望みを最優先したら、どんな気分になるでしょう。恥や罪悪感を覚えたり、自分をわがままだと思ったり、あるいは怖いと感じたりしますか?

▼怒ることができない
 破滅的な家族は、怒ることを悪いことだと教えます。そして怒るあなたを常軌を逸した人呼ばわりしたり、手がつけられない子どもだと言ったりします。

 ですが実際は、怒りというのは抑圧されていなければ健全な感情です。抑圧されると、憤怒に変わります。

 虐待を受けていた人たちはよく、家族に対して他の誰にも感じたことのないような激しい怒りを感じたことがあると言います。なぜでしょうか。それは、毒家族のいる家庭内ではすべての感情を抑圧しなければならないからです。

 そして怒りが募ると、抑圧されたものが一気にあふれ出します。それも当然です。怒りは境界線を設ける必要性を感じたときに湧き起こり、憤怒は境界線が何度も繰り返し侵されることで生まれる感情です。

 怒りは、あなたが我慢ならなくなったときのサインなのです。相手に立ち向かい、あなたにとって譲れない一線を明確にする手助けをしてくれる感情です。

 あなたが自分を守ろうとすれば、他の人はあなたを尊重するようになり、あなたが怒りを感じることも少なくなっていきます。

 怒りは不条理を正す唯一の感情であり、それゆえあなたの人生に変化をもたらせるかもしれない唯一の感情でもあります。

 どうしたらあなた自身の怒りを信頼できるようになるか考えてみましょう。怒りがあなたを傷つけるのではなく、あなたのためになるようにするには、どうしたらいいでしょうか。

▼人間関係に心地良さを感じられない
 愛情あふれる人間関係に慣れていないせいで、人間関係に心地良さを感じることが難しい場合があります。

 私自身、人間関係に愛を見出すことはできますが、心地良さを見出すのは非常に苦労します。関係がこの先も続いていくと信じることが難しいのです。

 私の人生において、人間関係は平穏のもとではなく不安のもとでした。誰かと恋愛関係にあるときも、その関係がずっと続いていくことや相手の気持ちを心から信じられず、完全に心を許すことができません。常に、うまくいかなかったときのことを考えて、次の手を用意しておくような人間なのです。

 些細なことで騒ぎ立てる癖はなかなか消えてくれません。きっと、あなたも私も、相手から最悪の反応が返ってくるのを想定するように鍛えられ、実際に最悪の反応を返されてきたからでしょう。これを解決するのは骨が折れます。

 あなたが人間関係に心地良さを感じられるようになるか否かは、どれほど人を信用できるかと、どれほど捨てられることを恐れているかによります。ですが、たとえ心地良さを見出せなくとも、愛を見出すことはできるようになります。

 私は学びました。自分自身と向き合って自分に正直に生きることを心がけ、恋愛関係以外の部分で目的意識を強く持てば、自分自身に対して心地良さを感じられるようになると。そして、本当の自分に慣れれば慣れるほど、他人に対してもまた、心地良さを感じるようになるのです。

 人間関係に心地良さを感じられるか、考えてみましょう。もっと様々なものに心地良さを感じられるようになるには、どうしたらいいでしょう。