政府債務(対GDP比)が約250%から350%
に膨張したときの長期金利の上昇幅

上がり続ける日本の物価、政府は減税策の前に金利上昇のリスクに備えよ政府債務(対GDP比)が約250%から350%に膨張したときの長期金利の上昇幅 *筆者推計

 国内物価の上昇や円安が続く中、日本銀行は今年7月、イールドカーブ・コントロール(YCC)を修正した。事実上、長期金利の上限を0.5%から1%に変更する内容だ。

 約3カ月が経過した今、長期金利は0.8%程度まで上昇し、上限の1%に近づきつつある。背景には、物価やドル円レート、米国の長期金利の影響が主にある。

 まず物価の動向だが、今年9月の消費者物価指数(CPI)総合の前年同月比は+2.8%と、2%超で高止まりしている。

 また、ドル円も再び円安が進んでいる。昨年の10月下旬に一時1ドル150円を突破した後、財務省の為替介入もあり、今年1月には1ドル130円を割る水準まで円安は是正された。だが、その後は米国の長期金利の上昇ショックなどを経て、今年の10月3日には、再びドル円レートが1ドル150円を突破した。円安の基調は依然衰えていない。