インフレ率2%超が続けば、長期金利が2%になっても不思議ではない。そして、未来永劫、日銀が長期金利を1%以下に抑制できるとは限らない。日銀の出口戦略で長期金利が何パーセントになる可能性があるのか、大まかにデータで分析する価値はあるだろう。

 筆者が2000年1月から23年5月までの日銀等の月次データを用いて、日本の長期金利モデルで簡易推計したところ、(1)米国の長期金利が1%ポイント上昇すると、日本の長期金利が0.26%ポイント上昇する可能性や、(2)ドル円レートで20円の円安が進むと、日本の長期金利が0.14%ポイント上昇する可能性などが分かった。

 また、(3)米国の長期金利が5%の前提で、日本の政府債務(対GDP比)が現在の約250%から350%に膨らむと、日本の長期金利が1.5%ポイントも上昇する可能性が確認できた。債務膨張が続けば、長期金利が2%を超えることは確実と思われる。

 最近では、政権内部から減税策が浮上している。減税は財政赤字を拡大させ、インフレ圧力を高めるリスクがある。金利上昇が本格化する前に、強靱な財政構造を構築する努力も忘れてはいけない。

(法政大学教授 小黒一正)