歴史的な超円安で「円のトルコリラ化」はある?“3割引ジャパン”喜ぶ外国人にイライラ写真はイメージです Photo:PIXTA

10月3日の深夜、ドル円相場が1ドル=150円超まで跳ね上がりました。「歴史的な円安状態」に入って1年余りたちますが、今回の円安は一味違うかもしれません。理論上コロナ禍前の1ドル=110円台まで戻るはずの円安が「戻らない」という、最悪シナリオがちらつき始めているのです。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

1ドル=150円超、再び!
為替介入は行われたのか?

 10月3日深夜、ドル円相場が1ドル=150円を大きく超えたその瞬間に為替介入が行われた様子です。

 この日、アメリカ市場が始まった後、アメリカの求人数に関する統計が発表されました。発表数値が事前予想をはるかに上回ったことで、アメリカの長期金利が上昇。それに伴って149円台だった為替レートは、150円16銭に跳ね上がりました。今の円安は日米の金利差が引き起こしているため、アメリカの金利が上がれば当然、円が売られます。

 ところが、その瞬間でした。

 ドル円のチャートはみるみるうちに一直線に下がり、1ドル=147円37銭まで急落したのです。公式には発表されていませんが、一瞬で3円近くもドル円相場が動くというのは為替介入に見える値動きです。