日銀はハロウィーンに当たる10月31日、フランケンシュタイン博士が作り出した怪物はまだ死んでいないと発表した。この怪物とは、長期金利を一定水準に維持するという日本の中央銀行の近年の政策のことだ。日銀の植田和男総裁は今週、この怪物を墓場に葬らず、生命維持装置につないだ。2016年から続けられている長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)は、10年物の日本国債の利回りを抑制することで、経済の活性化やインフレ率の押し上げなどを実現しようとするものだ。植田氏は31日、10年物国債利回りの上限の「めど」を1%にすると発表した。ただし公式には、同利回りの目標水準は0%に据え置いた。植田氏が前回、YCCの運用を柔軟化したのは7月であり、今回はそこからさらに柔軟化を進めた。7月の段階で植田氏は、1%が10年物国債利回りの上限になると述べていた。それ以前の上限は0.5%、さらに前の上限は0.25%、もっと前の上限は0.1%だった。