米情報機関が2001年9月11日の同時多発テロ以降、イスラム組織ハマスを含む攻撃的なパレスチナのグループに対する諜報(ちょうほう)活動を事実上停止していたことが分かった。事情に詳しい米政府当局者らが明らかにした。米国の情報機関は国際テロ組織アルカイダや過激派組織「イスラム国(IS)」の指導者らを追うことにリソースを向けたという。当局者らはハマスが米国にとって直接的な脅威になったことはないと判断した他、その他の諜報活動の負担になっていると考え、任務がイスラエル側に託されたと述べた。またその際にはイスラエルの諜報機関が脅威を特定できることに自信を持っていたとした。だがハマスによる10月7日の攻撃で30人以上の米国民が死亡、10人が行方不明となり、地域全体を巻き込む戦争となる懸念も高まる中、政府が米国の安全保障に対する脅威を誤って判断したとする当局者もいる。米政府はハマスによる襲撃後、中東地域に数十億ドルの軍備品を供与している。