経済発展の責任は
日銀ではなく「政府」が負うもの

 そもそも中央銀行には、経済を発展させる機能はありません。ここがアベノミクスの最大の勘違いです。ここを間違えたまま、なぜか今の日銀総裁は賃上げを伴う物価上昇、これは言い換えると経済成長を意味するのですが、それを自分の責任だと思い込んでいます。

 中央銀行は金利を下げることで需要を作り出すことはできるのですが、金融政策でできるのはここまで。本来、経済を発展させる責任は経済政策が負うものです。

 経済が発展するためには、生産性を上げるしか方法がありません。同じ数の国民が、もっとたくさん生産することで、定義により1人当たりGDPが上がるのです。第3集団への転落が起きた原因は金融政策ではなく経済政策にあるのです。

 さて、日本を経済で再成長させることを考える際には、先を走る第1集団と第2集団と日本経済との違いが手がかりになります。その観点で、これらの先進国が日本とどこが違うのか、先行集団との3つの違いを指摘させていただきます。

 まず、ものすごく当たり前のことから指摘させていただきます。「同じ数の国民がもっとたくさん生産する」ということが目標なら、一番簡単な方法はフルタイムで働いていない労働力がもっと働けるようにすることです。