次世代自動車向けレーザー測距技術「LiDAR(ライダー)」の開発を手掛ける中国・上海の禾賽科技が2月に米ナスダック市場に上場すると、一部では中国企業の米株市場回帰への期待が高まった。それから9カ月もたたないうちに、禾賽はテクノロジーを巡る米中対立がいかに産業界を揺さぶっているかを身をもって示すことになった。同社は株価が50%余り下落し、守勢に立たされる中、ロビイストを起用してイメージ挽回を図っている。ライダーはこれまであまり注目されてこなかったが、米国が今年に入って諜報(ちょうほう)活動やサイバー攻撃に転用可能な技術の管理に取り組み始めると、焦点の一つに浮上した。現代の戦闘で重要性が増している自律走行車でも要となる技術だ。