ソフトを開発する前に、予約金を受け取る仕組みにチェンジ
それにもかかわらず、彼はソフト開発をどんどん進めていました。
私は、まず先方に見積書を提出し、「注文書」をもらい、その際、「予約金」として総額の三分の一程度を受け取って開発をスタートするようアドバイスしました。
彼は、それに従って、口頭で仕事を出すと言われている会社を改めて回りました。すると心配していた通り、全部が全部、本気で注文を出すと言っていたわけではなく、“それはいいね”“詳細が決まればね”という程度の意味だったことが判明しました。
しかし一方では、確かに仕事を頼みたいと、「注文書」はもちろん、「予約金」の支払いにすぐに応じてくれた会社もあったので、彼は現金を手にすることができたのです。
以後、彼は、営業では必ず「ソフトの仕様書と見積書」を作成して提出し、先方には「注文書」を正式に出してもらうようにしています。即座に、「予約金」の請求書も出します。「予約金」は、「見積書」で示したトータルの金額の3分の1です。
制作途中の段階でも、進捗状況を報告しつつ、約3分の2ができた段階で、費用の3分の1を請求します。完成して納品後、検収が終われば、残金3分の1を受け取ります。
この仕組みにより、彼の会社の資金繰りは、劇的に改善しました。「現金」に困ることはなくなったと喜んでます。