ゲームのリアルさが人気の秘訣
坂上 提供している商品、つまりゲームの内容を具体的に教えてください。
藪 現在提供している自社開発のゲームは4つあります。日本のプロ野球を扱った「モバプロ」、メジャーリーグの「メジャプロ」、サッカーの「モバサカ」、競馬の「モバダビ」です。
今後は、自動車レースを扱ったゲームも予定しています。それぞれのゲーム中で、他のユーザーに勝ちたい、もしくは自分の好きな選手のカードが欲しいといった需要に対してカードを販売し、それを購入して頂きます。ユーザー数でいえば一番多いのがモバプロで、およそ200万人います。二番目がモバサカで約40万人ですね。
坂上 ゲームはどのように進行するのですか?
藪 弊社のゲームはすべて、ゲーム上の1シーズンがリアル(現実)の1週間で終わるようになっています。たとえば、野球だと月曜日にシーズンが始まって、土曜日に終わります。この期間中に15試合×6日で90試合が行なわれます。同じように競馬では土曜日が有馬記念といった形です。
坂上 そのシーズン中、ユーザーは何を目的にプレイするのですか?
藪 モバプロを例にしますと、全ユーザーを一定人数ごとに「ワールド」へ分散して、その中でマイナーリーグからメジャーへと昇格していきながら、まずリーグ優勝してもらうことがモチベーションです。その後、最終的には全ワールド代表の大会で、200万人中の頂点を競ってもらうと……ここまでが1週間の中ですべて行なわれます。
坂上 1週間でリセットされるということですね。
藪 はい。獲得した選手カードもリアルで、1シーズンに1歳ずつ年をとっていきます。6シーズン前後をピークに能力が落ちていき、長嶋茂雄選手のような一流プレイヤーでも、10シーズン経つと能力が低いカードになってしまいます。ユーザーは常に所持できるカードの上限が決まっているので、シーズンに合わせて古くなったカードを入れ替えながら遊んで頂きます。
坂上 非常にリアルですね。
藪 現役時代が短かった選手ですとピークも短く、3シーズンくらいで能力が落ちるような場合もあります。このリアルさが、ユーザーに受け入れられていますね。