富士フイルム「チェキ」大人気で上期の最高益更新!ニコンはカメラ「Z8」好調も…Photo:AFP=JIJI

1年前の冬はコロナ禍でマスクをする人がほとんどだったが、感染拡大は落ち着きを見せ、社会は元に戻ってきた。しかし、円安、物価高などといった情勢が収束する気配はない。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はキヤノン、ニコンなどの「カメラ/光学/複合機」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

キヤノンは16年ぶりの売上高1兆円超え

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のカメラ/光学/複合機業界4社。対象期間は2023年5~9月期の四半期(4社の対象期間はいずれも23年7~9月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・キヤノン
 増収率:2.9%(四半期の売上高1兆252億円)
・ニコン
 増収率:21.4%(四半期の売上収益1732億円)
・HOYA
 増収率:2.5%(四半期の売上収益1887億円)
・富士フイルムホールディングス
 増収率:0.5%(四半期の売上高7277億円)

 カメラ/光学/複合機業界4社はいずれも前年同期比で増収となった。中でも突出して高い増収率だったのがニコンで、21.4%だった。また、富士フイルムは増収率こそ0.5%という微増にとどまったが、利益面は上期で過去最高を記録している。

 次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、売上高・利益面の変動要因を解説する。