健全な家族なら
当然すること、しないこと

 まともな家族なら、あなたが立ち直り始め、心の準備ができたときには、いつでも話を聞く、と言ってくれるはずです。
 そして、自分たちのせいで関係がこじれてしまったことを深く反省するはずです。

 健全な家族なら、家族に対して駆け引きや無理強いをしたり、衝動的に感情をぶつけたりすることはありません。

 あなたがお金から手を引くことで、家族の「勝ち」になるでしょうか?

 あなたの家族がお金を使ってあなたに二次的虐待をするのは、お金こそが彼らの力の源であり、彼らが崇拝する神様だからです。

 彼らがお金を神のように崇めるのは、お金があれば神の真似事ができるから――自分の子や兄弟、孫、その他の家族を支配できるからです。
 経済的虐待をする一番の目的は、あなたが自分たちから離れていかないように、身動きを封じることです。

 幸い、あなたにとってお金は神様ではありませんし、一度だってお金のために魂を売る必要はありません。

「絶縁」が
意味する真実

 もらえるはずのお金を突っぱねたら、家族に勝ちを譲ったことになると考える人は必ずいます。
 あなたにはお金を受け取る正当な権利があるのだから、家族の妨害に抗ってでも、それを勝ち取らなければ、勝ったことにならない、と言う人もいるでしょう。

 ですが、忘れないでください。
 縁を切るというのは、勝ち負けの話ではありません。そこには、自由と幸福を手にするか、しないか、の違いしかないのです。

 他人がどう思おうと、気にする必要はありません。
 私自身、たとえ家族が「自分たちの勝ちだ」と思っていたとしても、痛くも痒くもありません。私は何も失っていないのですから。
 私は、彼らが持っていない、かけがえのない自由と幸福を手に入れたのです。

(1)Shannon Thomas, Exposing Financial Abuse: When Money Is a Weapon (New York: MAST Publishing House, 2018), 4.

シェリー・キャンベル(Sherrie Campbell, PhD)
毒家族に苦しむ人々を救う心理学者であり、家族との絶縁を手伝う専門家として全米で知られている。かつてBBM Global NetworkとTuneIn Radioで自身のラジオ番組「Dr. Sherrie Show」を主宰していた。講演者、SNSのインフルエンサーとしても知られ、メディアにも頻繁に取り上げられている。著書に『幸せになるには親を捨てるしかなかった』(ダイヤモンド社)などがある。

※本稿は、シェリー・キャンベル著 髙瀨みどり訳『幸せになるには親を捨てるしかなかった』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。