運動したい、でもできない……。そこで本連載は論文マニアとしても有名な大谷義夫先生(医師)が、82の論文、世界の最新エビデンスをもとに正しく効果的な歩き方を書いた本『1日1万歩を続けなさい』から、今日から役立つ「歩き方のコツ」をお伝えします。ウォーキングは体にいい。それはたしかに事実です。でも実は「ただ歩くだけ」では効果が出にくいことをご存じでしょうか。同じ歩くなら「科学的な歩き方」で「最大効果」を手に入れる。ここを目指してみてください。
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人間の体は地球のリズムと「ズレ」ている
地球のリズムは24時間ですが、人間の体のリズムは24.2時間。
ほんの少しずれています。
この「ずれ」を放っておくと、体のリズムが崩れ自律神経が乱れてきます。
太陽の光で体内時計をリセットする
そんなことにならないよう、私たちの体は朝、太陽の光を浴びると「体内時計」がリセットされるようにできています。
そこで大谷式ウォーキングでは、体内時計を整えるために「朝歩く」ことをおすすめしたいと思います。
「夜」より「朝」歩く
ちなみに体内時計以外にも、朝日のパワーがくれる効果はたくさんあります。
それが「幸せホルモン セロトニン」です。
朝の光を浴びるとセロトニンが分泌され、体にいい循環が始まります。
たとえば次のような効果が期待できます。
自律神経を整えてビタミンDを補充する
①脳を目覚めさせる
②ストレスを和らげる
③朝のセロトニンが、夜はメラトニンに変わってぐっすり眠れる
④陽の光がビタミンDの合成を促し骨粗鬆症のリスクを減らす
「早朝ウォーキング」は要注意
ただし朝起きた直後の「早朝ウォーキング」はあまりおすすめできません。
朝はリラックスモードから活動モードに切り替わるタイミングで、自律神経のバランスは不安定。
そんなときに急激に動くと血圧が急上昇したり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まるおそれもありますので、生活習慣病がある人やシニアは特に要注意です。
朝ウォーキングをするときは、ゆったりと目覚め、朝食をとってから歩くようにしてください。
※本稿は大谷義夫著『1日1万歩を続けなさい』より、一部を抜粋・編集したものです。本書にはウォーキングの効果にまつわるさまざまなエビデンスと、具体的かつ効果的な歩き方が紹介されています。