企業にとって“オフィス”は社員が集い、新たな価値が創造される大切な場所だ。新型コロナウイルス感染症を1つのきっかけにオフィスの在り方や考え方も変わりつつあるものの、その重要性自体は変わらないだろう。
そんなオフィス物件の情報が借り手となる企業に届くまでには、今でもアナログな工程が多く残されている。事業者間での情報共有は電話や対面のコミュニケーションのほか、紙やPDFを使ったやりとりが主流だ。膨大な情報に埋もれてしまい、オフィスを探す企業に適切な情報が届かないことも珍しくない。
2018年設立のestieではこの領域にデータとテクノロジーを持ち込み、オフィス不動産の取引や情報の流通をなめらかにする挑戦を続けてきた。
同社の主力事業である「estie pro」は全国8万棟以上のオフィスビルの物件情報を網羅したデータベースだ。空室情報や募集賃料、入居テナントなどの情報を1カ所に集約し、ビルオーナーや不動産管理会社、仲介会社、資産運用会社などに対して提供している。
網羅的かつ連続性のあるデータと分析機能がユーザーからは好評で、東急不動産や野村不動産など大手事業者を中心に数十社が導入済み。サービスリニューアルを実施した2020年7月から2021年12月にかけて継続的な成長を続けており、MRR(月次経常収益)は約14倍に拡大している。