Curveの直近の取引量は1日あたり3億ドルです。主に扱う暗号資産がステーブルコインというほとんど価格差のないものなので、手数料は0.04%と少ないのですが、それでも1日12万ドルの収入となります。

“稼げるゲーム”として有名になった「Axie Infinity」はどうでしょうか? Axie Infinityの収入源は大きく2つあります。1つはゲームのキャラクターやアイテムなどが売買されるマーケットプレイスの売買手数料です。こちらは売却時に売り手から4.25%の手数料が運営に徴収されます。もう1つはブリーディングというゲームキャラクターの配合時に、ゲームプレイヤーが使うガバナンストークン「AXS」とユーテリティートークンの「SLP」という2種類のトークンです。これは、いずれも運営に徴収されます。ただし、徴収されたSLPは徴収後に消却されます。

最盛期には1日にマーケットプレイス手数料で150万ドル、ブリーディングで1600万ドルの収入がありましたが、2022年1月31日時点ではそれぞれ9万3000ドル、28万ドルまで下がっています。

これが運営のSky Mavisに入るのかというとそうではなく、「コミュニティートレジャリー」という基金に保管されます。この基金については今後、AXSトークンホルダーによるDAOでゲームの発展のために使う方法が決められます。

このように見ていくと、Web3のサービスは、手数料という薄いながらも規模によって大きくなる手法で収益を得ていますが、そのサービスを立ち上げた企業が永続的に利益を得るという構造にはなっていません。これは「運営はガバナンストークンを持つDAOが実行していくものだ」という考えがあるからだと言えます。そして、その収益はサービスが持続的に運営されるように、DAOやそのサービスに貢献してくれた人たちに還元されるように設計されています。