ほかにも暗号資産の貸し借りを提供するCompoundや暗号資産を担保にステーブルコインを発行するMakerなど、我々がサービスだと思っているものはプロトコルを標ぼうし、その機能とユーザーインターフェイスを区別しています。

組み合わせることで生まれる新たなプロトコルとアプリケーション

プロトコルはオープンソースで提供されますが、その価値は運用されて始めて作られるので、たとえコードがコピーされて同じものが作られたとしても、プロトコルのスイッチングコストを価値が下回らない限り、ネットワーク効果によってユーザーは乗り換えずに利用しているプロトコルを使い続けます。

また、オープンな形式でプロトコルが提供されているため、開発者はインスピレーションを得たプロトコルを使って新たなプロトコルを作ることができます。開発者の間では「コンポーザブル」という言い方をしますが、モジュール化されたプロトコルを組み合わせて新たなプロトコルやアプリケーションを作りやすく設計することが、Web3のサービスには求められています。

特にDeFi(ディーファイ:非中央集権的金融、Web3による新たな金融サービスの総称)の世界ではこの傾向が強く、モジュール化されたプロトコルをレゴブロックのように組み合わせてサービスを提供することから「マネーレゴ」と形容されることがあります。

コンポーザブルであることは結果的にはそのプロトコルに価値をもたらします。なぜなら、繰り返しになりますが、ユーザーに使われれば使われるほど、そのプロトコルの価値は高まり、それがプロトコルのトークンの価格を引き上げるからです。