結局のところ、Web3はもうかるのか

多くの人が気になるのは、「(ユーザーが)所有できる」というWeb3のモデルに転換することで、サービスを提供する側がもうかるのかどうかということでしょう。これはイエスでもあり、ノーでもあります。どういうことでしょうか。いくつかの例を見てみましょう。

前出のUniswapでは、Uniswap上で暗号資産を交換したユーザーからわずかな手数料を徴収しています(現在のバージョン3では0.05%または0.3%または1.0%、トークンの組み合わせにより異なる)。直近の取引量が1日あたり20億ドルなので、もし手数料の平均が0.3%だったとしたら1日に600万ドルの収入があることになります。

1日にそれだけの収入があるので、さぞやUniswapはもうけているのではと思うかもしれませんが、この収入はUniswap上で流動性(暗号資産の交換をしやすくするために暗号資産を交換所に貸し付けておくこと)を提供するユーザーにすべて還元されています。なので、Uniswap自体はもうけてはいません。

またUniswapはUNIトークンを所有するユーザーによるDAOが管理していますが、UNIトークン保有者はUniswapの売上からは何も得ていません。

対して、同様の暗号資産の交換を機能を提供する「Curve」プロトコルもCurve上で暗号資産を交換したユーザーから手数料を徴収していますが、こちらは手数料収入を流動性を提供するユーザーに還元しつつ、Curveのガバナンストークンである「CRV」を所有している人(実際はCRVを一定期間預けている人)にも還元しています。それぞれへの配分は50%ずつです。