では、Web3のサービスを立ち上げた会社やそのプロジェクトに投資をした投資家たちは何でリターンを得ているのかといえば、トークンの売却です。通常は立ち上げチームや投資家は発行全体の数十%のトークンの割当を得ているので、トークンの価格が上がると大きな利益をもたらします。

サービスの運営がDAOに移管されたとしても、トークンの価値が高まることは立ち上げ企業にも投資家にも後からDAOに参加したユーザーにも共通の願いなので、理想的にはトークンを早い段階で売ってしまうよりも、価値が十分に上がってから売ることが正しい選択ということになります。

ここで挙げた例はDAOによる非中央集権的な運営を目指すものですが、もちろんWeb3のサービスにも中央集権的な側面を持つものもありますし、今後もそうしたサービスは出てくると思います。もしそうであっても、薄い手数料によって収益を得ながら、発行する独自トークンの価値が下がらないように、トークンホルダーやサービス貢献者に還元していくことが、これからのWeb3サービス発展の鍵になりそうです。

ブロックチェーンすら発展途上、これからのWeb3はどうなるか

Web3とは何かについて説明してきましたが、ここでの解説は現在のWeb3で議論されているスナップショットに過ぎません。

アーキテクチャーの解説で触れたファットプロトコル理論も、ゲームやメタバースのアプリケーションの登場でアプリケーション層が薄い状態から変わっていくでしょう。なぜなら、ゲームやメタバースの場合は、データやロジックよりも、リッチなユーザー体験での差異が大きな意味を持つ可能性があるからです。