日本がこのカーボンニュートラルを達成し、世界全体のカーボンニュートラル実現にも貢献しながら、産業競争力を高めるためには、企業がいち早くこの動きに対応し、自社以外のステークホルダーも含めた経済社会システム全体の変革をけん引していくことが重要となる。

経済産業省は2022年2月、「GXリーグ基本構想」を公表。GXに積極的に取り組む企業群が、官・学・金でGXに向けた挑戦を行うプレーヤーとともに、一体として変革のための議論と新たな市場の創造のための実践を行う場として、GXリーグの立ち上げを宣言した。

GXリーグが目指す世界観
GXリーグが目指す世界観

世界的にカーボンニュートラルへの取り組みが求められている理由は、世界の平均気温の上昇による気候変動に伴い、豪雨や猛暑をはじめとした気象災害や、生態系、水資源に及ぶ影響が産業・経済活動に対するリスクにもなるからだ。温暖化への対応を経済成長の制約やコストとする時代は終わり、「成長の機会」と捉える時代はもうすでに始まっている。

イノベーティブな手段による企業のGXへの対応は、前述したSXにおける「社会のサステナビリティ」の要請に応える経営戦略の一部を構成することにもなるだろう。