──懐かしいですね。ある意味TikTokの先駆けでしたね。

VineがTwitterに買収されてから、Vineのトップスターたちがきちんとマネタイズを支援してくださいとTwitterにお願いしましたが、Twitterが「今はやりません」と断り、結局Vineのトップスターたちは全員抜けてYouTubeに行きました。そこに現在のトップYouTuber……Logan PaulさんやDavid Dobrikさんたちがいました。

このプラットフォームのスイッチングは、クリエイターがプラットフォームより力があった証明でもあります。クリエイターが自分自身のコンテンツやアイデアを別のところに持っていけたというのは結構大きな話だと思います。今はクリエイターエコノミー3.0の時代に入っていますが、ここはクリエイターがユーザーから直接マネタイズできるという概念ですから。

クリエイターエコノミー3.0の時代では、明らかにクリエイターに対するプラットフォームからのリスペクトが、前よりあるというのが正直なところです。

クリエイターエコノミー2.0の時代は、結局プラットフォーム側がすごく重要でした。インフルエンサーのディスカバリー(発見)、認知度、フォロワー数を上げるために、プラットフォームがいろいろと支援していました。

クリエイターエコノミー3.0の時代になると、ディスカバリーをバリューと一緒に提供できるプラットフォームが少なくなり、サービスによりバリュー提供しているのはコンテンツ制作をしているクリエイター側に寄るようになります。

クリエイターがいいコンテンツを出しているのに、儲かっているのはプラットフォーム側。「なぜだ?」……となります。だからこそ、プラットフォーマーがいまクリエイターファンドなどを作っているという状況なわけです。

プラットフォームに依存しない「マルチSKU」という概念の登場

同時に、アメリカでは2020年ごろにTikTokがメインストリーム化したのですが、そのタイミングでトランプ大統領がTikTokをBAN(禁止)するかもしれないという話がありました。

──アメリカでは今、TikTokがすごいですね。

すごいです。特にクリエイターとして、新しいフォロワーを獲得するためにYouTubeかTikTokかを選ぶなら、絶対TikTokに行きます。

──日本にいると「アメリカではTikTok禁止なんでしょう」ぐらいに(軽く)思っていた方も多いと思うのですが、それぐらい人気があるからトランプは禁止したかったということなのでしょうか。