SignalFIreブログ「SignalFire’s Creator Economy Market Map」より

──SignalFireという会社が「Creator Economy Market Map」を出しています。ここでは、Layer 1、Layer 2、Layer 3になっていますけれども、今の宮武さんのお話でいくと、Layer 1のところがWeb2.0で我々一般人でも情報発信できるようになったタイミング。そして、Layer 2がインフルエンサーマーケティングによって、発信者が収益を得ることが普通になったタイミングというわけですね。

はい。特に広告モデルがインフルエンサーマーケティングに変わり始めたり、スポンサード広告が出てきたタイミングあたりが、Web2.0でいわゆる「GAFA」が跳ね上がったタイミングですね。

そして、ここがクリエイターエコノミー3.0になるきっかけとなる課題が生まれたタイミングです。プラットフォームのインセンティブがネットワーク(エンドユーザー)側のインセンティブと揃わなかったんですね。

これは、Facebook、Twitter、YouTubeといったプラットフォームが、大きくなるとネットワークのために動かなくなってしまうという話です。多くのプラットフォームは上場企業でもあり、売上を成長させなければいけない会社。だから初期はユーザーのために動いていたのが、スケールするとどうしてもユーザーを制限したり、データを囲い込んで成長するモデルが多いのです。

プラットフォームが成長するにあたっては、彼らはどんどん伸びないといけないので、まずクリエイターがコモディティ化します。そうすると、クリエイターの扱いが荒くなります。

場合によっては、プラットフォーム側が完全に、どのクリエイターと一緒に提携するか全部選べるし、逆にシャットオフも全部できるわけです。そこのパワーバランスが圧倒的に変わったんです。

 

 

──なるほど。その文脈もクリエイターエコノミーと関係あるんですね。

関係ありますね。そこのアンバランスについてはOff Topicでもちょこちょこ話しているんですが、結局、会社側、プラットフォーム側は利益をどうしても上げたいので、ネットワーク(エンドユーザー)が影響を受けることになってしまい、売上を伸ばすためには(サービスを)クローズドにする必要がありました。

他社を入れないとか、クリエイターをロックアップ(固定)するという形がベストなんですけれども、それに対するクリエイターエコノミー3.0のきっかけの一事例が「Vine」(ショート動画の共有サービス。2016年にサービス終了)です。