そうですね。月次の制作予算が4億円ぐらいです。

──本当に? 僕が初耳っていうのはちょっと恥ずかしいけれど、たぶん日本では知らない人が多いですよね。

日本ではこれから知る人が増えます。なぜかというと、MrBeastさんは最近、声優さんを採用して、ほかの言語でも出しているんです。

──いまは英語だから英語の情報をウォッチしている人にしか届かないけど、日本のTwitterでバズったら一発ですね。今、後頭部を殴られたような衝撃を受けています。YouTuberで成功している人はNetflixなどに番組を提供するようになるのかなって(想像していたんですが)、今はもう違うんですね。自分のプラットフォームで作っちゃうんだ。

MrBeastはNetflixにも行ったんですけれども、NetflixがNGを出しました。

──なるほど。ちょっと文脈が合わないのでしょうか。

MrBeastは、文脈的に言いますと次世代版のゲームショーホストとして考えたほうがいいと思います。彼はいろんなゲームを考えているんですが、よくあるパターンが、彼が1台のランボルギーニを買って、どこかに置いて友達を呼び、最後まで手を置いていた人がランボルギーニをもらえる……そういう系統の動画をいっぱい出しています。

それも、YouTubeのアルゴリズムを考えながらそういう動画を作っていて、そこにはかなり大金を使うんですけど、MrBeastの凄さはYouTubeだけではないというところが大きくて。2020年末には「MrBeast Burger」というハンバーガーチェーンを作りました。

YouTuberがレストランを巻き込んで「D2C」ハンバーガーチェーンを開始、ほかのインフルエンサーとコラボも

──ちょっと待ってください。MrBeastはYouTuberですよね。

YouTuberです。

──YouTuberがバーガーチェーンを作るんですか。

はい。このバーガーチェーンがちょっと特殊でして、リアル店舗がないんですよ。

 

これです。MrBeast Burgerです。彼が何をやっているかといいますと、全米のレストランと提携して、レストランにハンバーガーの素材を送って、レストランが作って、Uber Eatsでデリバリーしてもらっています。

──すごい。もう本当に「D2C」ですね。

店舗がいらないんですよね。MrBeast Burgerという名前ですと、いわゆる一般人でも買ってくれるじゃないですか。そこから、もしかしたらYouTubeにつながるかもしれないっていう(逆の)流れもあります。