しかも、ローンチ時に300店舗を一気にオープンしたんです。リアル店舗がないので。あえてそれをゴーストキッチンにしなかった理由は、コロナ期間中だったから。レストランへのレベシェア(レベニューシェア)ができるので、レストランとしてもすごくよかったと。

──レストラン支援! すごい。この人、めちゃくちゃ好きになりました。スケールでかいなぁ。近いことをやっている日本のYouTuberはいますけど、MrBeastってブランドで一気通貫にしてるところがすごいですね。

そこからの展開もすごくて。1年ちょっとやっているんですけど、いまアメリカとカナダとロンドンで1000店舗以上展開しています。

重要なのは、インフラを彼が作ったので、その上でいろんなほかのインフルエンサーとコラボできることなんですよ。「Minecraft」プレイ動画で有名なYouTuberでDreamという人がいるんですけど、彼とも提携して「Dream Burger」を作りました。

 

Dreamさんからすると楽じゃないですか。300店舗に一気に販売できるので。MrBeastからすると、場合によっては5年後、10年後、自分のMrBeast Burgerを運営していなくても、いろんなYouTuberたちのバーガー屋さんになっていればいいんですよね。

クリエイターが起業家になったという文脈で考えるとクリエイターエコノミーは当然の帰結

──MrBeastとかDreamとか、グローバルで通用するブランドネームの取り合いも並行してありますね。

それもありますね。たしかに。

──覚えやすいですよね。

MrBeastではもうひとつ新しい取り組みがあります。お菓子ブランドを作ったんです。最初にチョコレートを出したんですけど、「チャーリーとチョコレート工場」という映画をオマージュしたかたちで、チョコレートバーを作りました。

 

チョコレートバーにはステッカーが入っていまして、その裏にコードが貼ってあるんです。そのコードを入力すると、抽選にチャレンジできます。チョコレートを買うだけで、もしかしたらチョコレート工場をもらえるかもしれないとか、テスラ(の電気自動車)をもらえるかもしれないんです。

──チョコレートバーにも、MrBeastらしい遊び心があふれているんですね。

いわゆるゲームショーホスト的なかたちで、こういうもの(展開)があるわけです。

──この規模のレベルになってくると、さっき(前編)のクリエイター側に力があるという話の意味がすごくよくわかります。