なので、クリエイターが起業家になったという文脈で考えてもいいのかなと思います。YouTuberとしてはある程度ありがちなパターンではあるんですけど、彼はいろんなことをやっているので、個人的にすごく面白いなと思っています。

13歳未満の子どもたち「α世代」は「メタバースネイティブ」

──もうちょっと身近な事例も教えていただけますか?

たとえばゲームでは「Roblox」が今すごくはやっていますが、Robloxのクリエイターもいっぱいいます。Robloxは「体験プラットフォーム」という形で、Robloxの中でいろんなゲーム体験ができ、いろんなバーチャル世界をユーザーが作れるのですが、Robloxの運営自体は何も作っていません。「Fortnite」と違いユーザーが全部作っていて、特にアメリカだとほとんど子どもが(コンテンツを)作っています。

 

──13歳未満の子どもたちが使っているプラットフォームで、自分でゲームをこの中で作れる。

ゲームしたり、ほかの人が作ったゲームを遊べたりするところが、ちょっと「Minecraft」っぽくて。ただ、その中で経済圏ができていて、実際に物を売買できたりするんです。

──何かモノを作ったら、それを欲しい人に売れば、お金をもらえて当たり前だよねっていうのを、13歳未満の子どもたちがもう体験しまくっていると。

体験しまくっています。でも、この層って生まれた歳で言うと、2010年とか2011年ぐらいの層じゃないですか。そのタイミングで何が出たかと言いますと、iPadが発売されたんですよね。たぶん徳力さんも覚えていると思うんですけど、赤ちゃんがiPadでスワイプしていて、テレビもスワイプしちゃったりとか。

──そうですそうです、うちの長男もそうです。2歳児でもiPadって使えるんだねっていう世代ですね。

その世代がRoblox世代なんですよ。バーチャル世界のネイティブの人たちですね。

──そうですね。自分の13歳のときを想像しちゃ駄目なんですね。

僕はミレニアム世代なので「インターネットネイティブ」とよく言われているんですけど、「Z世代」と呼ばれている方々はどちらかというと「スマホネイティブ」と言われていて、次のα世代がまさに今のRobloxのユーザーさんたち。そこがたぶん「メタバースネイティブ」みたいな文脈になるのかなと思いますね。

でも、このRobloxの中だと、いろんなデジタルアイテムを皆さんが作っていて、実際に専門のクリエイターも出てきています。いま26、27歳ぐらいのRobloxのクリエイターでMegan Letterさんという方がいるんですが、彼女はRobloxのゲームスタジオ(Wonder Works)を立ち上げて、年間800万ドル(約8億円)ぐらい稼いでいます。