IT業界を中心にM&Aの仲介やアドバイザリーを展開しているM&A BASE代表取締役の廣川航氏が直近のM&Aや新規上場承認された企業のビジネスを分析していきます。今回はヌーラボについての分析です。
新規上場した注目企業の分析の第2回目は、プロジェクト管理ツールの「Backlog」やID管理ツールの「Nulab Pass」などを提供するヌーラボです。
なお、ヌーラボに私が代表を務めているM&A BASEの親会社・XTechのグループ会社であるXTech Venturesが出資していますが、私は一切の情報共有を受けていないことを初めに開示しておきます。
ヌーラボの上場を分析する際のポイント!
- 初期は受託開発からスタートし、現在はSaaS企業になっていること
- 複数のコラボレーションサービスを提供していること
- サービスがとても愛されていること
- 本拠地が東京ではなく福岡、かつ海外に拠点があること
- 黒字であること
- スタートアップとしては珍しく社員持株会制度を行っていること
なぜ注目? ヌーラボのユニークなポイント
ヌーラボは、プロジェクト管理ツール「Backlog(バックログ)」や、オンライン作図・共有サービス「Cacoo(カクー)」、ビジネスチャットツール「Typetalk(タイプトーク)」、ID管理ツール「Nulab Pass(ヌーラボパス)」の4つのコラボレーションツールを提供しています。
コラボレーションツールは、海外でもとても盛り上がっている領域です。SaaSのユニコーン企業の中でも時価総額100億ドル以上の企業としてはグラフィックデザインツールのCanvaやオンラインホワイトボードのMiro、UIデザインツールのFigma、情報管理ツールのNotion Labsなどがあります。