実際にヒアリングをしてみると、これまではYouTubeのコンテンツや「HelloTalk」のようなチャットアプリなどを通じて手探りで英語を学んでいたユーザーが多いという。

一方で日本人をはじめとした先進国のユーザーは、他の学習手段と併用しながら“学んだ英語を実践する場”としてfondiを活用するケースもあるようだ。

アバター介して学習者同士で会話を実践、英語の障壁下げる

バーでは1on1で会話ができる。バーテンダーが会話を盛り上げるためのトークテーマを提供してくれるような機能もある
バーでは1on1で会話ができる。バーテンダーが会話を盛り上げるためのトークテーマを提供してくれるような機能もある

アバターを介すことで自分や相手の外見を気にせずフラットにコミュニケーションができることに加えて、英語に自信がなくても“恥ずかしがらずに会話をしやすい”というメリットもある。

まずはアバターを用いて他のユーザーと会話を増やしながら、小さな成功体験を積む。次第に顔見知りが増えていくと長時間会話をするようになり、徐々に英語の障壁が下がっていく。最終的には英語に対して自信を持てるようになる──。これがfondiでの成功パターンだという。

「これまでであれば留学して得られたような体験の一部を、スマホ1つで擬似的に体験できることがfondiの特徴です」(野原氏)

実際にインドのとあるユーザーは“プレ留学”としてfondiを活用し、英語に対する自信をつけた上で海外に留学したそうだ。

課金ユーザーの中には「fondiで初めてアプリに課金をした」というユーザーも複数人存在しており、前述のとおりユーザーが増えても課金ユーザーの1日あたりの平均利用時間は120分以上を維持している。そういった点から「サービスに対する可能性を感じている」と野原氏は話す。

もっとも、機能面においてはまだまだ改良できる余地も多いという。成功パターンに乗れたユーザーは長く継続する傾向にあるものの、最初につまずいて離脱してしまうユーザーも一定数存在する。初期のハードルを超えるためのオンボーディング部分の設計や会話をサポートするためのコンテンツ面の強化は今後の注力ポイントの1つだ。

また各エリアで楽しめるゲームの開発なども進めていく計画。中長期的にはコミュニティ内にトークンエコノミーを取り込み、教育コンテンツを軸にした価値のやり取りの仕組みや、コミュニティに貢献することによって無料で学習機会を得られるシステムの実現にも挑戦していきたいという。

fondiではそれに向けた資金としてANRI、ココナラスキルパートナーズ、Skyland Ventures、デジサーチアンドアドバタイジング、90sから1.7億円の資金調達を実施。同社の累計調達額は2.5億円となった。