SoVaでは、さまざまな得意分野を有する士業と提携しており、現在は導入企業に対して要望に合った専門家を無償で紹介もしている。既存の士業と競合するのではなく、協業するスタンスでビジネスを展開しているのだ。

山本氏は「すでに活躍している士業に加え、起業を考える有資格者にとって、SoVaとの提携は顧客開拓になる上、得意分野に注力できる環境につながると考えています」と主張する。

対応業務のタスク化でサポートを強化

サービスの提供開始から約10カ月で導入社数を増やしてきたが、7月15日には、業務サポートを強化する新たなUIも実装した。

「入社・退社」や「会社情報の変更」など、対応したい手続きを画面上から選択すると、チャット画面が起動。ガイダンスに従って質問に答えると、手続き完了までのタスクが表示され、「いつまでに、どの書類を、どこへ提出するのか」までをカレンダーで表示する。

手続きのテーマとともに、カレンダーに反映されたタスクやスケジュールが表示される
手続きのテーマとともに、カレンダーに反映されたタスクやスケジュールが表示される
実行したい手続きを選択すると、チャット画面が開きガイダンスを行う
実行したい手続きを選択すると、チャット画面が開き、ガイダンスを行う
完了までに必要なタスクが一覧になり、カレンダーに反映される
完了までに必要なタスクが一覧になり、カレンダーに反映される

 

新UIでは「チャットによるガイダンス」「タスク化」「タスクのカレンダー表示」で、特許を取得した。

サービスを導入している企業のほとんどが、正社員5名以下の小規模事業者とのことで、限られた人員で多くの業務をこなすケースが想定される。タスク化やスケジュールのアフターフォローなど、現在の顧客へのサポート強化を図る一方、導入企業の成長段階を想定し、事業規模に比例して広がるニーズへの対応も検討している。具体的には、顧客が行った手続き情報を分析し、直近あるいは近い将来に発生する手続きや、必要になりそうな対応について、提案するサービスの提供だ。

「事業を拡大しても使い続けていただけるよう、プロダクト自体の成長・拡大も必要だと考えています。ただそれだけじゃなく、御用聞きに回る“三河屋さん”のように先手先手で、士業の方と協業しながら、導入企業へ必要な提案ができるようにしたいですね」(山本氏)

目指すのは国内最大のアカウンティングファーム

SoVaはシードラウンドで、イーストベンチャーズや個人投資家から5000万円を調達。現在はシリーズAの資金調達を準備中だという。

同社は2026年までに契約数1万5000社を目指す。山本氏は「国内最大の、アカウンティングファームになることを目標にしています」と話す。

税理士・会計士の業界では、国内最大手の事務所が契約している企業数が、約1万~1万5000社といわれている。税理士1人が対応できる顧客数が限られる中、単純計算であれば、これを超える規模を実現するのは難しい。

しかし、SoVaが提供しているのはDXされたプロダクトで労働制約がなく、個人の力量による対応力やクオリティに差が出ることもない。既に導入顧客は全国におり、小規模事業者にマッチしている点から、潜在顧客の母数が非常に多いともいえる。こうした強みを背景に、今後はより顧客数の拡大にも力を入れる予定だ。​