またシミュレーション機能以外にも、IoTサービスやCSVファイルからデータを読み込み(編集部注:今後、アスエネやゼロボードなどのツールともAPI連携をする予定)、CO2排出量を見える化する機能も提供する。シミュレーション機能の価格は、既存のCO2排出量見える化・削減クラウドサービスと同様に、1拠点あたり月額8000〜1万円での提供を予定しているとのこと。見える化機能は無料。

カーボンニュートラルシミュレーターの利用イメージ 画像提供:アークエルテクノロジーズ
カーボンニュートラルシミュレーターの利用イメージ 画像提供:アークエルテクノロジーズ

10月20日に開催された記者発表会でアークエルテクノロジーズ代表取締役の宮脇良二氏は「今までは具体的な施策立案はコンサルティング会社に依頼するケースが多く、手間やコストがかかるため企業の脱炭素化の取り組みが進んでいなかった」と語った。

宮脇氏によれば、排出量の見える化サービスによってCO2排出量が可視化できたとしても、具体的な施策や必要な予算、ロードマップが分からない(コンサルタントなどの支援が必要)といった課題のほか、他社と比較してどれくらい取り組みが進んでいるか(遅れているか)を知りたいといったニーズがあったことから、開発を決めたという。

まずは大企業向けに、複雑な要件など会社のニーズに合わせてカスタマイズできるサービスを2022年12月に提供開始する予定とのこと。「すでに2社と導入の話が進んでおり、今年度は5〜6社の導入を見込んでいる」と宮脇氏は語った。

その後、都市ガス・運輸企業・小売企業など業界別のソリューションを開発し、SaaS版として2023年4月に提供開始する予定だという。

また、アークエルテクノロジーズが展開するEV充電マネジメントサービス、エネルギーマネジメントシステムとのデータ連携に加え、どれくらいの予算が必要かを“逆引き”して確認する機能、同業同規模の会社とのベンチマーク比較機能なども追加する予定とのこと。

会見の最後に、宮脇氏は「(カーボンニュートラルシミュレーターは)2030年までに100億円規模の事業にしていけたら」と意気込みを語った。