新型コロナの影響で外出を控える人が多い中、家具や雑貨などインテリアの写真を共有するSNS「RoomClip」が好調だ。巣ごもり需要でユーザー数は急増し、5月は月間ユーザー数が830万人を突破。前年同月比で2倍以上に増加した。RoomClipユーザーの外部ECサイトへの流入数も同様に、前年同月比で2倍以上に増加したという。
ユーザー数が順調に拡大するなか、RoomClipを提供するルームクリップは9月2日、新規事業開発やさらなる顧客獲得を目的に、総額約10億円の資金調達を実施したことを明らかにした。
第三者割当増資の引受先は、日本郵政キャピタル、NTTドコモ・ベンチャーズ、マーキュリアインベストメント、岡三キャピタルパートナーズ、博報堂DYベンチャーズ、そして事務用品メーカーのプラスだ。三井住友銀行、三菱UFJ銀行、りそな銀行など金融機関からの融資も受けた。調達ラウンドはシリーズDで、ルームクリップの累計調達額は22億円超となった。
東日本大震災がきっかけで誕生したRoomClip
ルームクリップは2011年11月に設立されたスタートアップ。代表取締役社⻑の高重正彦氏は福島県いわき市の出身で、東日本大震災がきっかけとなり、起業に至った。
高重氏は東京大学大学院工学系研究科で、ソーシャルネットワークの数理的成長モデルを研究。卒業後はコンテンツ提供会社のイマジニアで、SNSアプリなどの新規立ち上げを経験した。