Galaxy Z Fold2 5Gではそうした前世代の悪評の多くを解消し、高級なスマートフォンにふさわしい質感と、機能性の高さを手に入れた。折りたたみディスプレイには超薄型のカバーガラスを装着し、見栄えと手触りを向上。外側のディスプレイもフレームぎりぎりまで拡大した。ヒンジには細かなホコリを掃き出せる新機構を導入している。

 

小さなポケットからスッと抜き出して、開いて大きな画面でコンテンツを楽しめる。新書を開いて読み出すように、その操作は違和感なく行える。

折りたたんだ外側にも画面があり、スマートフォンとして使える

3つのアプリを同時に開くマルチウインドウにも対応し、ポップアップ表示で任意のアプリを表示することも可能だ。ただ、マルチウインドウは確かに便利だが、その操作体系はまだ未開拓だ。アプリを複数起動して、並べる操作には慣れが必要となる。

3つのアプリを同時に起動できる

最新のハイエンドチップセット「Snapdragon 865」を搭載し、画像処理のような操作もストレスレスだ。サムスンはマイクロソフトと提携してOffice製品をこのスマホに最適化しているため、ビジネスユースの要請にも応えられる。カメラは3眼となり、超広角やズームの画角切り替えも可能となった。

大きな弱点は着実に解消しているが、一般的なスマホと比べてネックとなるのがその重さだ。ディスプレイユニットやインカメラを多数搭載しているため、致し方ない面はあるが、重さは約282gと、一般的な6インチのスマホの1.5倍はある。開いて両手で使うときはまだしも、畳んだ状態で片手操作するときは、手首への負担が気になる。この辺りは技術の進化により、軽量化が進むことを期待したいところだ。

もう1つ、機能に比して価格が高いことは否定しがたい。Galaxy Z Fo ld2 5Gのauでの販売価格は未定だが、米国では1999ドル(約21万円)で販売されている。日本での価格設定も大きくは変わらないだろう。高級機らしい質感の高さで、所有者の満足感を高めることにはおそらく成功しているが、一般に普及する段階からはまだほど遠い。折りたたみ機構は衝撃に弱く、防水性能もない。価格を考慮して実用性を判断すると「技術ショーケース以上、実用家電未満」といったところだろう。将来性は間違いないが、いまだ好事家向けの存在に留まっている。

ファッションアイテムとしてのスマホ「Galaxy Z Flip 5G」

同じ折りたたみ画面を採用しつつも、Galaxy Z Flip 5GはGalaxy Z Fold2 5Gとはまったく違うスタイルを提案している。こちらは本質的には従来型のスマートフォンと変わらない。変わったのはただ、折りたためることだけだ。