スマートフォンの概念を覆した、初代iPhoneの登場から10年余り。今ではタッチパネルで操作するこの小型機器を大半の人が持ち歩く社会となった。スマホは急速にコモディティ化し、世界中の人々に広く普及した。途上国では1万円以下で手に入る端末も多く登場している。
一方、ハイエンドなスマートフォンでは、機能の進化は行き詰まりつつある。iPhoneが見せたような、フォームファクター(ハードウェアの物理仕様)の再定義にまでは至っていないのが現状だ。
そんな状況下で登場した「フォルダブル(折りたためるディスプレイ)」は、スマホというフォームファクターの延長でありつつ、スマホの概念を刷新する可能性を秘めた存在だ。2019年後半以来、複数のデバイスが登場している。
この記事では最新製品「Galaxy Z Fold2 5G」と「Galaxy Z Flip 5G」を手に取りながら、フォルダブルの将来性について考えてみよう。
5Gとフォルダブル
そもそも、なぜ今、フォルダブルなのか。フォルダブルディスプレイがこのタイミングで実用化された背景には、時を同じくして登場した5Gという新たな通信技術の存在がある。