直近では10月1日に新機能「WOVN.api(ウォーブンドットエーピーアイ」を発表したばかりだ。WOVN.apiではWOVNの翻訳のコア機能をAPIとして提供。他社サービスと直接連携して多言語化が実現できようになった。連携の第1弾として、サイト内検索サービスを展開するナビプラスの「NaviPlusサーチ」との連携が発表されている。
これまでのWOVN.ioでは主にHTMLでテキスト化された情報を間でトラップし、翻訳して表示してきた。これに対し、WOVN.apiではHTML化されていない情報の多言語化対応が可能になった。サービスを連携する事業者は、API経由で任意の単位でデータを送信して翻訳結果を自社のデータベースに格納することができ、任意のタイミングで表示することができる。
WOVN Technologiesの製品開発責任者、幾田雅仁氏は、WOVN.apiについて「検索だけでなく、例えばメールの定型文や、チャット、ビデオのスクリプト(キャプション)を私たちのシステムに送り、翻訳して反映するようなサービスの提供も考えられます。開発力のあるテック系企業やSaaS企業にそうしたサービスをパートナーとして開発いただくことを前提としています」と説明する。
幾田氏は今後、翻訳のコア機能をそのまま提供する現在の形から、用途に特化した形にラッピングして提供していくことを計画していると話している。また、API自体をSaaSや他のIT企業との協業により、セットで販売していくようなことも検討しているそうだ。
新しい世界での多言語化にアクセル、地域に応じた翻訳対応も
Wovn Technologies代表取締役社長CEOの林鷹治氏は、2020年上期の6カ月は「コロナに適応することに苦労した」とコメントしている。一方で、次の世界でWOVNが必要になることも見えてきたという。
「今後は新しい世界での多言語化に、組織としてアクセルを踏んでいきます。過去最大に採用も行い、営業を強化して企業に導入されることが多言語化社会につながっていくと考えています。APIも含めた“高度な多言語化”が求められる中で、どんどん機能を企画していきます」(林氏)
製品については「ローカライズ・ザ・インターネット」というキーワードを使って、今後の開発の方向性をこう説明する。
「我々は単純に翻訳をする翻訳屋になるつもりは全くありません。度量衡や通貨、デザインの文化による受け止め方の違いなど、ターゲットの文化を大切にしたい。その国・地域の文化に根ざしたホームページのコンバートという将来像に向けて、製品開発を一歩一歩進めていきます」(林氏)