発音が最も美しい
フランス語発祥の地

 そう言えば、私の周りのフランス語留学をした人たちの留学先は、パリに次いでロワール地方が多いことに気づきます。彼らに聞いてみると、「知らないの? ロワール地方のフランス語の発音が最高と言われているんだよ!」と必ず答えます。調べてみると、フランス語は、“北フランスのガロ・ロマンス語の方言から進化したもの”と記されており、ロワール地方がフランスで最も美しい発音をする地方とされています。

 元を辿れば、政治や文化の中心であったこの地で話される言語が[標準語]になったのかもしれません。

 そんなロワール地方を楽しむために、フランスの歴史も知っておくと良いでしょう。

 紐解けば、たくさんの宮廷のお話などに出会えるのですが、その中で、フランソワ一世とダ・ヴィンチ(1452-1519)にスポットを当てたいと思います。

 アンボワーズ城とダ・ヴィンチが住んでいた屋敷[クロ・リュセ]が地下通路で繋がっていて、フランソワ一世が足しげくダ・ヴィンチに会いに通っていたらしい――以前に、わたしはそんな内容のテレビ番組を観て、この二人がどういう関係だったのかと興味を持ちました。

フランソワ一世の居城、アンボワーズ城 Photo:(c)ATOUT FRANCE JAPON