今回から連載を担当することになりました、みえぞうです。
大好きなフランスで見聞きしたことが伝えられ、少しでも私と一緒に旅している気持ちになっていただければと思います。
さて、これから紹介していくフランスは22地域圏に分かれています。ちょうど日本で言うところの、関東地方、東北地方などと一緒です。さらに、地方は県に分かれています。東北地方の福島県、というのと同じ意味合いです。ただ、それは、行政が決めた名前に過ぎず、昔からの通称も実際には使われています。たとえば、「会津」のように、日本人なら、「ああ、あの辺ね!」と分かるのと一緒です。
今回は、1年間を通じて温暖な南仏プロヴァンスをご紹介します。私たちが普段呼んでいるプロヴァンス地方は、正式には、プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地域圏(Region Provence-Alpes-Cote dユAzur)になります。この地域圏は、マルセイユを中心とするプロヴァンス地方、ニースを中心とするコート・ダジュール地方、北はアルプス山脈に面したアルプス地方のギャップあたりまでという広い範囲で構成されています。
プロヴァンス地方は、アヴィニョンから東のカンヌあたりまで、コート・ダジュール地方は、そこから東へモナコの手前までを指します。
[プロヴァンス]と言う名称は、ローマ帝国時代の属州だったことを示すラテン語の「プロヴィンキアProvincia」に由来します。この名前が付けられたように、この地方には、世界遺産に指定されているアルルの古代劇場跡やコロッセオはじめ、古代ローマ時代の遺跡が多く見られます。
日本からパリのシャルル・ド・ゴール空港を経由する場合は、パリからマルセイユ・プロヴァンス空港まで約1時間半。パリ市内からTGV(フランス国鉄が運行する高速鉄道)で向かう場合は、およそ2時間40分でアヴィニョンTGV駅に到着します。