必ずしも同じような手段を採るわけではないが、10Xとしても今後プロダクトの機能拡張や組織拡大を通じて、小売チェーンのEC立ち上げを後押しするための取り組みを進めていく方針。今回の資金調達もその動きを加速させることが大きな目的だ。

Stailerに関しては、より多くのパートナーがECに挑戦しやすくなるように機能開発を続ける計画。たとえば在庫データやピックパックの仕組みも含めてすべてゼロからベンダーに依頼するとなると、数十億円規模の資金が必要になる可能性もある。そこまでの予算を確保するのが難しい企業でも安心して使えるプラットフォームを目指す。

また特に物流面などは人の力が必要になる工程も多く、ソフトウェアを提供するだけではサポートが足りない場面もあるという。今後はより深く顧客を支援するべく、場合によっては10X自体が人を抱えたり、物流機能を抱えたりするなど“フィジカル”な領域への投資も進める方針だ。

こうした取り組みに向けて「会社を丸ごと3倍くらいのサイズまで広げていく」(矢本氏)ほか、シナジーの高い企業やプロダクト開発に強みのある企業への出資・M&Aなども積極的に検討していくという。