「コストを下げるというよりも、コーポレートITの業務が非常にアナログで効率化・自動化が進んでいないことが大きな問題だと思いました。コーポレートIT領域の不を解消していくことができれば、新たなビジネスを作っていくことができるのではないか。そのように考えました」(松本氏)

新型コロナウイルス感染症の影響により、企業のコーポレートIT部門の業務負荷は今まで以上に広がっている。リモートワークの普及によって従業員が自宅でデバイスを利用するようになったほか、DXの文脈でSaaSを始めとしたデジタルツールの導入が活発になってきているからだ。

一方で社員数が100〜1000名規模の企業でも情報システム部門の選任者がいない、または1名のみ(1人情シス)の企業も珍しくなく、限られたリソースで膨大な業務に対応しなければならない状況に追い込まれている。

単純な業務量の多さに加えてアナログな作業が多いのも難点で、たとえばラクスルがコーポレートIT部門の担当者600名を対象に行ったアンケートでは「約50%の企業がITデバイスをExcelで管理しているか、そもそも管理できていない」ことや、「約50%の企業がSaaSの契約状況の管理ができておらず、約60%の企業がSaaSへの支払いコストの把握ができていない」といった実態も明らかになった。

こうした状況がコーポレートITの高い離職率などにも繋がり、悪循環が生まれてしまっているというのがラクスルの考え。ジョーシスではアナログな業務の自動化・効率化を通じて「コーポレートITを後押ししていく」ことが目標だ。

同サービスはラクスルのインド拠点を中心に開発を進めており、正式ローンチに先駆けてすでに十数社が活用している状況とのこと。まずは2021年度中に50社への提供を目指していくという。