「不動産仲介に特化したSalesforce」で事業者のデジタル活用支援へ

今後はカナリーを通じた集客のサポートに限らず、テクノロジーを活用しながら仲介会社の業務を後押しするSaaSの展開も計画している。

現在はクローズドベータ版を十数社の事業者にテスト利用してもらっている状況。最初は「不動産仲介に特化したSalesforce」のような形で、顧客管理(CRM)機能やマーケティングオートメーション機能などを提供していく計画だ。

仲介会社向けSaaSのイメージ。画像は開発中のもの
仲介会社向けSaaSのイメージ。画像は開発中のもの

導入企業はメールやLINEなどに分散していたやりとりを一元管理し、顧客のデータなども踏まえながら効果的なコミュニケーションができるようになる。中長期的には電子契約や決済にまつわる機能なども加えていく方針だという。

今回の資金調達は組織体制を拡充し、SaaSやカナリーの展開を加速させていくのが大きな狙い。カナリーに関してもAppStoreのレビューを見ているとアプリのUIUX自体には良い反応も多い反面、マッチングした仲介会社のサービスが悪かったという反応も見受けられる。

佐々木氏も「まだまだ改善すべき点はたくさんある」と言い、今後は実際の制約データの活用やユーザーによるレビュー機能の導入などにも取り組みながら「結果的に質の高い仲介会社がよりマッチングされやすいような環境」を整えていきたいと話す。

またユーザーの体験を高めるという観点においても、SaaSが一役買うというのが佐々木氏の考え。SaaSを通じて仲介会社の業務をサポートしていくことが、最終的にはカナリーを活用するエンドユーザーの利便性向上にも繋がっていくという。