主軸を担うferret Oneは、BtoBマーケティングに必要な機能を集約したオールインワン型のサービスだ。

ferret Oneの特徴
ferret Oneにはノーコードでサイトが製作できるCMS機能を筆頭に、さまざまな機能が搭載されている

ウェブページの作成や更新ができるCMS(コンテンツ管理システム)から、SEO対策やメールマーケティング、アクセス解析、見込み客の管理に至るまで幅広い機能を取り揃える。利用料金はミニマムで月額10万円から。このツールに自社で蓄積してきたマーケティングノウハウを元にしたサポートを組み合わせることで、顧客の課題解決を支える。

ferret Oneの背景にあるのが「わずらわしさの解消」という考え方だ。

ベーシック代表取締役の秋山勝氏はウェブマーケティングの大衆化の実現に向け、2015年にferret Oneを開発した。その際に参考にしたのが、スマートフォンやパソコン、テレビといった「世の中にある、すでに大衆化されたもの」だったという。

それらに共通していたのは「裏側の仕組みは高度だけれど、エンドユーザーはそれを意識せずに使える」こと。むしろ複雑さを意識させてはダメで、テレビであれば直感的にボタンを押すと、すぐに見たい番組が視聴できるようなものこそ望ましい。

これをマーケティングツールにも照らし合わせて考えてみると、大きな課題が存在すると秋山氏は感じた。マーケティングツールの中には設定が複雑で、マーケティングに長く携わってきた同氏の目からみても“わずらわしい”と感じるものも少なくなかった。

「ユーザーはツールの操作に長けたいわけではなく、顧客と仲良くなって関係性を築きたいんです。それなのに、その手前にあるツールがなぜこれほどまでに厄介なのか。違和感を感じました。人はめんどくさいことを、わざわざやりたいとは思いません。導入されたものの十分に使われずに解約されてしまうツールは、本質的な価値がないことよりも、わずらわしさが原因になっていることの方が多いのではないかと考えています」(秋山氏)

オールインワン型にこだわったのも、複数ツール間でのデータ連携のわずらわしさを解消したかったからだ。一方で1つ1つの機能は最低限に絞り、シンプルで使いやすい設計を重視した。たとえばメール配信であれば、一斉配信やステップメールなど王道の施策ができさえすればそれで十分だと考えた。

「100のスペックを持っていたとしても、そのうちの2〜3割しか使われていないツールも珍しくありません。それは結局nice to have(あったらいいな)の集合体になるからです。そうであるならば、必要最低限のものがあればいいという発想でサービスを作りました」(秋山氏)