その理由としてはシェフの発信力が高まったことが大きいです。シェフがより身近な存在になり、安価ながらもシェフの考えが体感できるものがあると、結果的によりたくさんの人がレストラン(フラッグシップ)にも訪れる動機につながると思います。新しい客層を獲得する、という観点からも非常に有効な手段だなと思っています。

Duy Doan(デュイ・ドーン)氏 / StockX Japan 統括

  • 2021年の振り返り

新型コロナウイルスの感染拡大により、人々は外出自粛を余儀なくされ、オンラインで交流するようになりました。StockXはこのような世の中の変化に伴って拡大したサービスの1つです。私が特に興味を持っているのは、暗号資産やブロックチェーンの技術発展に伴うWeb3の台頭です。ここ数ヶ月でNFTの認知度は爆発的に向上しました。

さまざまなアーティストがデジタル作品を販売し、マネタイズできることに大きな可能性を感じています。ポップカルチャーとリンクすることで、多くの人々がNFTやその周辺技術に興味を抱くようになりました。 

  • 2022年のトレンド予測

2021年にはFacebookが社名をMetaに変更し、メタバースに注力していくことを宣言しました。2022年にはより多くのサービスがメタバースに関連した事業を仕掛けてくるでしょう。とは言え、“リアルな場”の重要性も忘れてはなりません。コロナ禍で人々はオンラインでのコミュニケーションを余儀なくされ、結果として対面での交流のニーズが高まりました。そのため、リアルな体験を提供することで、オンラインでの体験を補完することが、ブランドの成長において欠かせなくなってきています。

福島良典氏 / LayerX代表取締役CEO

  • 2021年の振り返り

ワクチンの圧倒的な開発速度に代表される、創薬プロセスのDX。開発秘話のポッドキャストをを聞きましたが、まさにこれぞDXとソフトウェアのアジリティという話でした。ワクチンは象徴的でしたが、SaaS、Fintech、自動運転、小売DX、医療DX、製造業DX、教育DXなどあらゆるリアル産業へのソフトウェアの侵食が着実に進んだ1年だったと思います。

その他のトレンドとして、Facebookがメタバースの会社になる、Web3トレンドの勃興、NFTの盛り上がり、引き続き強い仮想通貨の相場など含めた、既存社会への延長線ではないアンチテーゼ的な文脈の領域も盛り上がった1年と感じます。

また非常に個人的なお話なのですが今年ありがたいことに結婚をし、子どもも授かることができました。それによりD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)的文脈への興味がとても強くなりました。改めて会社としての働き方、子育て・プライベート・仕事の両立を考えるようになり、そういった仕組みに投資している会社や制度への関心が以前にも増して高まりました。