視野はどんどん狭まり、閉塞感は増すばかり。となると、もうマイナス思考の底なし沼です。このループに一度ハマるとなかなか抜け出せない。自己肯定感は、下降の一途をたどっていくことになります。

 もう一つ、「接続詞が増えること」もマイナス思考のサインです。とくに注意したいのは、英語でいう「but」の接続詞。なぜなら、「but」の後には否定語が続くことがほとんどだからです。

 たとえば、カウンセリングの中でも、「先生のおっしゃることはよくわかります。でも私は……」と「できない理由」を語る人が大勢います。「でも」「だって」「そうは言っても」。これらの言葉の後には、必ずと言っていいほど否定語が続くものです。

 もしも「でも……」と口ごもって、あとの否定語を声に出していなくても、意味は同じです。

 また、逆説の接続詞で始まる言葉は、言い訳であることが多いもの。言い訳がくせになると、課題から目をそらし、逃げることが自分に根づいていきます。そのうち、壁を乗り越える方法がまったくわからなくなってしまうでしょう。

 自己肯定感は「壁を乗り越える力」です。何度失敗しても諦めないこころ。失敗する自分を受け入れられるこころ。行動できる前向きなこころ。

 言い訳をして逃げてばかりでは、そんな自己肯定感が育つことはありません。ですから、逆説の接続詞が増えること自体が「黄色信号」だと言えるのです。

気弱な話し方も攻撃的な口調も
マイナス思考のあらわれ

 3つ目として、言葉の発し方にも注意すべきサインがあります。たとえば、声が小さくなっていたり、ため息まじりの言葉が多くなったり、語尾がモゴモゴ不明瞭になったり。そんな気弱な話し方をする傾向が見られたら、自己肯定感が下がっている兆しだと思ってください。

 これは言わば、「言葉を発すること」にブレーキをかけている状態です。一般的に自動車は、ブレーキとアクセルを同時に踏んでも、ブレーキが勝つように設計されています。つまり、ブレーキを踏んでいる間は、どうがんばっても、前に進むことはありえないのです。

 それと同じで、言葉を発することにブレーキをかけていると、どんなに「いい言葉」を使っても、前に進むことはできません。こころは停滞し、ときには後退することになってしまうでしょう。