つまり、どんどん気持ちが下がっていくし、ネガティブな思考が生まれていきます。

 じつはこのサインは、こころの不調を抱えるクライアントさんと接していて気づいたことです。そうしたクライアントさんは、カウンセリングに来ても、最初のうちは、なかなか言葉が出てきません。

「えっと……、こんなことがあって……。でも……」

 下を向いて口の中で言葉が籠っているように話されるので、不明瞭で、聞きとりづらいことが多いのです。

 そうした自分の口ぐせ(話しぐせ)を、自分の耳で聞くことによって、さらに気持ちがふさがって、ますます思考が後ろ向きになっていきます。

 4つめの黄色信号は「攻撃的な言いまわし」。これは、ほかならぬ私自身の体験談です。

 私は、25歳からパニック障害などを患い、10年間自宅から出ることができませんでした。その当時を知る人に話を聞くと、いまと比べて私の話し方はかなり違っていたようです。

 異様なまでに早口で、他人の言葉に対して、切り捨てるようなことばかり言っていました。「論理的におかしい」「矛盾しすぎだよ」「それはダサい」「そんなのありえない!」と。こころに刺さったトゲがそのまま言葉に表れているような状態です。そうした物言いは、確実に自分自身を追い詰めていたと思います。

 でも、そんな自分を守るために、さらに言葉のトゲを増やし、他人を遠ざけていくことしかできなかった。そして実際、まわりからはどんどん人が離れていきました。

 これも、自己肯定感が下がっているサインです。

 自分を受け入れることができず、物事を多面的に見ることもできないから、視野がグッと狭まって、柔軟性を失った状態。肯定的側面がまったく見えなくなっている状態とも言えます。

 気弱な話し方も要注意ですが、過度に攻撃的な言いまわしを使ってしまっている場合も、自己肯定感の見直しが必要なサインだと覚えていてください。口が悪いのは性格の問題ではなく、過度な自己防衛であり、自己肯定感の欠如かもしれないのです。

 ネガティブな思考は、一度始まると袋小路に入りやすいものです。前進しようとするこころにストップをかけ、自分自身を追い込み、あらゆる意欲を奪ってしまいます。だからこそ、こうしたサインを見逃さず、ループにハマる前に、改善していくことが大切です。