最終手段「警察を動かす」

 今からお話しする内容は私が日本に滞在する各国の外交官にも教えていた方法で、「警察を動かす方法」として非常に有効な手です。

 それは、警察に相談する際に恐怖を感じていることを大袈裟に盛って話してください。こうすることで、警察が動かざるをえないような状況をつくってしまうのです。警察が動くというのは、被害届が受理されて被疑者が処罰されることを指します。普通に相談するだけでは、相談受付扱いとしてしまって積極的に介入してこようとしない警察官もいます。

 たとえば、ストーカー被害にあっているなら、追いかけられたとはっきり認識できたのが3回くらいだとしても「10回も追いかけられているかもしれません」と数を大きくするのも一つです。また、脅迫された際は「昔はこんなこと言う人ではなかった」と豹変ぶりを強調するのもいいでしょう。まずは、あなたが感じている恐怖を警察官に伝えることに注力してください。警察も「3回なのか、10回なのか」「前はそんなこと言わない人だったか」どうかまで裏の取りようがありません。

 大袈裟に話しても警察署の担当者が食いつかない場合で、実際に被害に遭遇したときは110番してください。そうすると現場に必ず警察官が来ます。さらに、110番を受けた警察官は、対応と処理の結果を必ず残しています。どの警察官が受けて、どうアドバイスしたかという詳細まですべてです。そして、「前から〇〇警察署に相談してたのですが、それがいま目の前で起こっていて怖いんです」と言うと、「前から受けてたっていつの話だ」と警察は検討し、真剣に対応するようになるでしょう。

 あとは、警察署長や警視総監に直筆の手紙を書くのも一つ。昨今、ストーカーによる殺人事件なども起きていますから、こうした話が警察高官らの耳に入れば「〇〇署のこの事案の取り扱いはどうなっている」という話になります。そして、トップダウンで警察官を動かすこともできるのです。